ベンツを購入した瞬間は「ついに憧れの一台が手に入った!」と気分も最高潮になりますよね。でも、納車のワクワクが少し落ち着いた頃に多くの人が悩むのが、「このベンツ、車両保険って本当に入るべき?」という問題です。ディーラーでは当然のように勧められ、ネットで調べると「保険料が高い」「月々がきつい」といった声も並びます。ここでは、ベンツの車両保険に入るべきかどうかを、できるだけ現実的な目線で整理していきます。

ベンツに車両保険は必要なのか

結論から言うと、ベンツの年式と使い方によって「必要度」は大きく変わります。新車や高年式のベンツは、車両価格が600万円〜1,000万円を超えることも珍しくなく、軽い事故でも修理費が数十万〜100万円単位になるケースは普通にあります。バンパー一つ、ヘッドライト一つでも、国産車の感覚とはまったく違う金額が請求されることがあるのがベンツの現実です。

こうしたリスクを考えると、新車や購入から数年以内のベンツに関しては、車両保険は「ほぼ必須」に近い装備と言えます。一方で、10年以上経過した低年式の中古ベンツの場合、車両保険で補償される金額自体が低くなってしまい、年間の保険料とのバランスが悪くなるケースもあります。その場合は、あえて車両保険を付けず、万一の修理は自己負担で割り切るという選択をする人もいます。

ベンツの保険料はいくら?月々の目安

ベンツの車両保険を含めた保険料は、年齢、等級、車種、補償内容によって大きく変わりますが、ひとつの目安として年間20万〜40万円前後になるケースが多いです。これを月々で考えると、おおよそ1万5千円〜3万円前後というイメージになります。

「国産車のときは月7,000円くらいだったのに、倍以上になった…」と感じる人が多く、これが「ベンツは保険料が高い」と言われる理由です。ただし、補償額もリスクもまったく別物になるため、単純に国産車と比較して「高すぎる」と断定するのは少し危険です。免責金額を高めに設定したり、補償範囲を見直すことで、月々の負担を抑えることも可能です。

加入できる保険会社とディーラー保険の違い

ベンツの車両保険は、基本的にどの大手保険会社でも加入できます。最近では、ネット型の保険会社を利用して保険料を抑える人も増えています。たとえば、ソニー損保のようなダイレクト型保険は、条件次第でディーラー保険よりも月々の支払いを安くできるケースもあります。

一方、ディーラーで勧められるのが、いわゆる「メルセデス・ベンツ自動車保険プログラム」と呼ばれるタイプの保険です。こちらの最大のメリットは、事故時の修理が基本的に正規ディーラー対応になる点です。純正部品での修理、手続きもディーラー任せという安心感は、他にはない大きな魅力です。その代わり、保険料はネット型よりも高くなる傾向があります。

「とにかく保険料を抑えたい人」はネット保険、「手間をかけず安心を取りたい人」はディーラー保険、という住み分けで考えるとイメージしやすいでしょう。

おすすめの関連記事:テスラ口コミの本音まとめ|評判・後悔・やばいと言われる理由を徹底解説

ベンツCクラスで見るリアルな保険事情

具体例として、もっとも所有者が多いベンツCクラスを見てみます。新車のCクラスにフルカバーの車両保険を付けた場合、条件次第では年間25万〜35万円ほどになることもあります。中古のCクラスで補償内容を少し抑えれば、年間15万〜25万円ほどに落ち着くケースもあります。

実際に、Cクラスで軽い追突事故を起こしただけでも、修理費が80万円を超えたという話は珍しくありません。このようなケースで車両保険に入っていなければ、その金額をすべて自己負担することになります。数年分の保険料を一度の事故で失うことも、現実として十分にあり得ます。

車両保険に入らず後悔しやすいケース

車両保険に入らずに後悔する人に多いのが、「自損事故」や「当て逃げ」です。相手がいない事故の場合、対物・対人保険では自分のベンツの修理費は一切カバーされません。ポールにこすっただけ、段差で下回りを打っただけでも、修理費が数十万円になるのがベンツの怖いところです。

一方で、「どうしても固定費を減らしたい」「修理費は貯金で対応するつもり」という理由で、あえて車両保険に入らない人もいます。この選択が正解かどうかは、事故が起きるかどうかで結果論になってしまうのも事実です。

後悔しないための現実的な選択肢

ベンツの車両保険で後悔しないための、もっとも現実的な落としどころは「車両保険は付けるが、免責を高めに設定する」という方法です。これなら月々の保険料を抑えつつ、大きな事故のリスクだけはしっかりカバーできます。また、購入から数年経ち、車両価値が下がってきたタイミングで、補償内容を見直すのも非常に有効です。

ベンツの車両保険は一度決めたら終わりではありません。ライフスタイルや車の価値の変化に合わせて、定期的に見直していくことが、最終的に「入ってよかった」と思える一番の近道です。

まとめ:ベンツ車両保険は「安心をどう買うか」で考える

ベンツの車両保険は、決して安い買い物ではありません。しかし、修理費の高さや事故時の金銭的ダメージを考えると、新車や高年式のベンツに乗るなら、車両保険は「保険」ではなく「安心を買うコスト」と考えたほうが納得しやすい選択です。

一方で、低年式の中古車や、万一の修理費を自己負担できる余裕がある人にとっては、車両保険を外すという選択も決して間違いではありません。大切なのは、「なんとなく不安だから」「勧められたから」ではなく、自分のベンツの価値と家計、そしてリスク許容度を冷静に見つめたうえで判断することです。